裁判において、浮気・不倫を理由に損害賠償を請求する場合、浮気・不倫があったことを、裁判所に認めてもらわなければなりません。
例えば、夫が不倫をした場合について考えてみます。
この場合に、夫も不倫相手の女も、裁判において不倫を認めれば、わざわざ不倫の事実を興信所などの調査によって明らかにする必要はありません。
しかし、夫も不倫相手の女も、不倫を認めなければ、不倫があったことを証明しなければなりません。「証明」とは簡単にいうと、ある事実が間違いなく存在した、と裁判官に確信させること、をいいます。
よって、当事者の言い分が異なっている場合に、裁判所に不倫の事実があったことを確信させるには、十分な証拠が必要です。
この際、一番確実な証拠としては、興信所・探偵社の調査結果と思われます。
以上から、夫や浮気相手の女が不倫を認めない場合に、不倫があったことを確実に証明したい、という場合に興信所や探偵社に調査を頼むことになると思われます。
損害賠償請求をするためには、「違法な行為」(=社会的に見て許されない行為)によって、精神的に傷ついた、ということを裁判所に認めさせる必要があります。
婚姻中、他の異性と不倫・浮気をすることは、基本的には「違法な行為」といえます。
しかし、既に別居し、婚姻関係が破たん・形骸化している場合には、他の異性と交際したとしても、守られるべき家庭の平和や平穏などはありません。すなわち、この場合には、他の異性との交際が「違法な行為」とまでは言えないのです。
よって、既に夫と別居し、婚姻関係が破たん・形骸化している場合、他の男性と交際しても損害賠償は原則、認められることはありません。