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よくある質問(取り調べ)

警察等での取り調べの際、どのような点に注意すればいいのでしょうか

ときどき、ニュースで、捜査機関による強引な取り調べにより、うその自白がされ、その自白がもとで冤罪となったなどということが報道がされます。

このようなことがないよう、取り調べを受ける際は、主に以下の点に注意すべきでしょう。

 

黙秘権

犯罪の嫌疑がある場合、捜査機関は被疑者に対して取り調べを行います。この場合、捜査機関は被疑者に黙秘権の告知をします(刑事訴訟法198条2項)。

このように、被疑者には黙秘権があるので、捜査機関で取り調べを受けても話したくないことは話さなくてもよいのです。

 

供述調書への署名等

黙秘するか否かは被疑者の自由ですので、黙秘することなく被疑者は自分の言い分を捜査機関に述べてもかまいません。

被疑者が言い分を述べた場合、捜査機関は必要に応じ、その言い分を書面にまとめます。この書面を「供述調書」などといいます。調書作成後、捜査官は調書を被疑者に読み聞かせ、被疑者の言い分が正しく書面にまとめられているか、確認することとされています(刑事訴訟法198条4項)。

 

被疑者は、調書を読み聞かされている間、その内容をよく聞いて、自らの言い分が正しく反映されているされているか確認しなければなりません。正しく反映されている場合に限り、調書に署名押印して下さい。

一方、自らの言い分が正しく反映されていない場合には、その調書に署名押印してはいけません。もし、署名押印してしまうと、後々、裁判で、調書の内容が自分の言い分とは異なる、と言ってもそれを覆すことは困難となります。

よって、調書に自分の言い分が正しく反映されていない場合には、直ぐに修正するよう申し出てください。捜査官はこれに応じ、修正等しなければなりません(刑事訴訟法198条4項)。

 

任意同行とは何でしょうか。逮捕とは異なるのでしょうか。

犯罪の嫌疑がある場合、事案にもよりますが、被疑者を逮捕することなく、警察署に同行を求めて取り調べを行うことがあります。

「任意同行」とは、逮捕などの身体拘束のために必要な法的手続(逮捕令状の取得など)を経ることなく、警察署で聞き取り、取り調べを行うことをいいます。

上述のとおり、必要な法的手続を経ず、被疑者の「同意」を得た上で、警察署に行くことを求めるものであり、これに応じるか否かは自由である、という意味で「任意」同行と呼ばれています。

 

警察がこのような任意同行を求める理由は色々ありますが、例えば犯罪の嫌疑が不十分な場合、被疑者本人からの言い分も確認して嫌疑を固める、ということもあるようです。

 

上述のとおり、任意同行では、取り調べを受ける者の同意が必要であり、警察署に行くことを強制することはできません。しかし、法的知識の不足などから、あたかも同行しなければ罰せられるなどと思ってしまい、その結果、警察の求めに応じてしまうこともあるようです。

したがって、警察署への同行を求められた場合には、まず、同行を求める根拠が「逮捕」なのか「任意同行」なのか警察官に確認するべきでしょう。その上で、任意同行であれば、応じるか否かは自由なのです。