問:消滅時効により借金がなくなるということが実際にあるのでしょうか。
消費者金融など、債権者は、裁判などにより借金の回収をしないのでしょうか。
答:消費者金融などの債権者が、債権の回収を行わず長年放置し、消滅時効の期間が経過してしまう、などということが本当にあるのか不思議に思われるかもしれません。
しかし、実際に、債権者が債権の回収を行うことなく、消滅時効期間が経過してしまうことはあるのです。
当事務所でも、消滅時効期間が経過している債務について、債務者を代理して時効の援用の通知をすることがしばしばあります。
では、なぜ、消費者金融などの債権者が、消滅時効期間が経過するまで借金を放置することがあるのでしょうか。次のような事情によるものと思われます。
消費者金融など債権者が、借主(債務者)からの借金の返済を望み、消滅時効による借金の消滅を防ごうとするなら、訴訟などを行う必要があります。しかし、訴訟を行うには、費用と時間、手間がかかります。また、訴訟により勝訴判決を得たとしても、財産がない借主(債務者)から、実際に金員を回収することは極めて困難なのです。
このような事情もあり、訴訟などを行うことなく、借金を放置し、消滅時効期間が経過する、ということがあるのです。